秋春制移行前最後のシーズンとなる2026年のJリーグは特別大会として開催されることが決定!

2026年、Jリーグがいよいよ大きな転換期を迎えます。長年続いた春秋制を終え、欧州主要リーグと同様の「秋春制」へとスケジュールが移行。
その準備期間として設けられるのが2026年前半に開催される「特別大会」です。
通常のリーグ戦とは異なる形式で行われる来年のシーズンは順位や降格制度がない一方、ACL出場権や新たなインセンティブ制度など注目のポイントが多数あります。
この記事では、2026年特別大会の目的、フォーマット、開催日程、順位の意味、今後のシーズン構造までをわかりやすく解説します。
秋春制とは
概要

秋春制とは、サッカーのリーグ戦を秋に開幕し、翌年の春に終了する方式のことを指します。ヨーロッパでは一般的に8月頃に開幕し、翌年の5月頃までに全日程を終える秋春制となっています。
これに対してJリーグは、長年にわたり春秋制を採用しており、2月から3月に開幕し、11月から12月にかけてシーズンを終える運用を行ってきました。しかし、2026–27シーズンからはこのスケジュールを変更し、Jリーグも本格的に秋春制へ移行することが正式に決定されました。
メリット
秋春制へ移行することにより、いくつかの大きな利点が生まれます。
まず、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)やFIFA主催の国際大会などとのスケジュールの整合性がとりやすくなるため、よりスムーズなクラブ運営や代表活動が可能になります。
また、移籍市場においても、ヨーロッパとシーズンのタイミングが揃うことで、補強や移籍のタイミングが調整しやすくなり、クラブの戦力強化にもつながります。特に若手選手にとっては、海外移籍を目指す際にタイミングが合いやすくなる点も大きな魅力のひとつです。
デメリット
秋春制への移行に際して、もっとも大きな懸念とされているのが降雪地域のクラブが抱える冬季の試合開催リスクです。
北海道や東北、北陸などでは、スタジアムの雪寒対策や除雪体制の整備が必要となり、そのための投資がクラブにとって大きな負担になる可能性があります。特に公共施設をホームスタジアムとして使用しているクラブでは、年度単位の利用調整が難しくなるという声もあります。
秋春制移行スケジュール
2026年特別大会について
2026年Jリーグ特別大会とは
2026年に開催される「Jリーグ特別大会」とはJリーグが秋春制へ移行するにあたり、その準備期間として設定されたこの年だけの特別な大会です。
Jリーグではこれまで、2月から12月にかけて1シーズンを消化する春秋制を採用してきましたが、2026–27シーズンからは、8月開幕・翌年5月終了の秋春制へと本格的に切り替わることが決まっています。
この大きな制度変更にあたり、2026年前半の期間を活用し、従来のリーグ戦とは異なる形式で行われるのが、この「特別大会」です。
順位や昇降格は一切適用されず、試合方式や日程もシーズン移行に適した設計がなされており、クラブ・選手・サポーター・リーグ運営すべてが新しいスケジュールに慣れるための実践的な移行措置として位置づけられています。
参加クラブと大会方式

2026年Jリーグ特別大会にはJ1・J2・J3の全クラブが参加します。J1リーグ特別大会には20クラブ、J2・J3リーグ特別大会には合わせて40クラブ(各20クラブ)が出場し、それぞれ独立した大会として開催されます。この大会では、昇格や降格は一切行われず、JFLとの入れ替えも行われません。
J1では、参加クラブを地域性などを考慮して10クラブずつ2グループに分ける「地域リーグラウンド」がまず実施されます。各グループでは、ホーム&アウェイ方式による2回戦総当たりのリーグ戦が行われ、グループ内の順位が決定されます。
その後、同じ順位同士のクラブが対戦する「プレーオフラウンド」が行われ、最終順位が確定します。たとえば、グループAの1位とグループBの1位がホーム&アウェイで対戦し、大会優勝を争うという形になります。
地域リーグラウンドでは90分間で決着がつかない場合、延長戦は行わず即PK戦に突入します。勝点の配分は90分勝利で3点、PK勝利で2点、PK敗戦で1点、90分敗戦で0点とされ、すべての試合に明確な勝敗がつくよう設計されています。
一方、プレーオフラウンドでは引き分けも認められ、2戦合計で決着がつかない場合のみ延長戦・PK戦が行われます。
J2・J3でも同様に、地域性に配慮して4グループに分けたリーグ戦と、順位決定トーナメントによるプレーオフラウンドが組まれています。こちらもPK戦による決着方式が導入されており、観る側にとっても緊張感のある試合展開が期待されます。
助成金・賞金とACL出場権
2026年のJリーグ特別大会では、従来のリーグ戦と異なり、順位や勝点に応じた助成金制度が特別に設けられています。これは、昇降格がない中でも、各クラブが真剣に大会へ取り組めるように配慮されたインセンティブとなります。
まずJ1では、地域リーグラウンドでの勝点1ごとに200万円の特別助成金が与えられ、総額は約10.8億円にのぼります。加えて、プレーオフラウンドで決定される最終順位に応じても助成金が支給され、こちらは総額1.2億円となります。
さらに、J1特別大会の優勝クラブには1.5億円の優勝賞金が贈られ、2位には6,000万円、3位には3,000万円が支給されます。また、これらの賞金とは別に、「理念強化配分金」として、競技成績と人気度に基づいた追加の資金配分(総額10.8億円)も行われることになっています。
なお、2026年シーズンのACLの出場権は特別大会で優勝したクラブにのみ与えられます。ACLエリート2026–27に出場する日本のクラブは、2025年のJ1リーグで優勝したクラブ、準優勝したクラブ、そしてこの特別大会の優勝クラブの3チームで構成される予定です。