ブックメーカーの還元率とは?仕組みや計算方法を徹底解説

還元率という言葉をご存知でしょうか。これはブックメーカー以外のギャンブル、例えばオンラインカジノや競馬、パチンコでも使われることの多い言葉です。
還元率はそのギャンブルがどれほど勝ちやすいものなのかを示す数値と言われています。還元率について理解を深めることなくギャンブルに興じることは危険です。
少しでも勝つ確率を上げるためには還元率に関する知識を深めておいて損はありません。ここでは還元率に関する詳しい解説を初心者の方でも分かりやすく丁寧にご紹介していきます。
還元率の説明
還元率とはユーザーから集まったベット額に対してどれだけの割合がユーザーに払い戻されるのかを示した数値のことです。Return To Playerの頭文字を取ってRTPとも呼ばれます。
例えば、ユーザーから合計100万円のベット額が集まり、その内の80万円を払い戻しにあてた場合、還元率は80%となります。残りの20%はギャンブルの胴元(運営)が利益として持っていくことになります。ちなみにこの胴元が取る利益の割合のことを控除率と言います。
還元率が100%であればユーザーからのベット額が全て払い戻しに使われるため、的中時のリターンも大きくなります。これが還元率が高いギャンブルがユーザーに有利と言われる理由です。なお、還元率と控除率を合計すると必ず100%となります。
ブックメーカーでスポーツにベットをするならより高い還元率を設定しているブックメーカーを選択することが勝利への第一歩となります。そのためには還元率を計算する必要があります。ここからさらに還元率についての理解を深めていきましょう。
還元率の計算方法
還元率は基本的にユーザーのベット額と実際に払い戻された額が分からなければ計算することができませんが、ブックメーカーの還元率はオッズから計算することができます。
ブックメーカーの還元率の計算にはオッズの逆数を利用します。逆数は1をオッズで割ることで算出することが可能です。それぞれのオッズの逆数を計算したらそれらを合計し、その逆数の合計で1を割るだけで還元率を導くことが可能です。具体例で見ていきましょう。以下のオッズの還元率を計算します。
(例) チームX 1.9倍 チームY 1.8倍
このオッズの還元率は0.925、すなわち92.5%と計算することができました。100万円のベット額があった場合、ユーザーには92.5万円の払い戻しがあり、残り7.5万円は胴元の利益として持っていかれることになります。
ブックメーカーの還元率は算出方法自体はシンプルですが、計算はやや面倒で複雑です。NEOブックメーカーではそんな方のためにオッズを入力するだけで簡単に還元率を計算できるツールをご用意しております。還元率が気になる場合は是非一度使ってみてください。
ギャンブルには還元率が付き物
ブックメーカーに限らず競馬やパチンコ、宝くじなどあらゆるギャンブルに還元率は設定されています。自分がやっているギャンブルがどれほどの還元率で運営されているのかを知ることで戦略や攻略が変わるかもしれません。ここからは人気の高いギャンブルの還元率を見ていきます。
ブックメーカー(90%~100%超え)
ブックメーカーの還元率が計算できることは説明しましたが、実際にブックメーカーのサイトに掲載されているオッズから還元率を計算するとおおよそ90%を超えています。
還元率が一定でないのは各ブックメーカーによってオッズが異なるためです。より高いオッズを探し出すことがより高い還元率を見つけることに繋がり、より大きなリターンを得るチャンスとなるはずです。
(参考)BET CHANNELのサッカーの試合における還元率を計算すると94.95%となりました。

競馬・競艇・競輪(75%~80%)
日本でも人気の高いこれらのギャンブルの還元率はおよそ75%から80%程度です。また、単勝や3連単などの賭け方によっても還元率が異なります。
単勝・複勝⇒80%
枠連・馬連・ワイド⇒77%
馬単・3連複⇒75%
3連単⇒72.5%
なお、競馬や競艇はパリミチュエル方式を採用している点に注意してください。パリミチュエル方式ではベットが締め切られるまでオッズが変動します。最初は還元率が高く見えてもベットが確定した後にオッズが下がることは日常茶飯事です。公営ギャンブルではなく、ブックメーカーでベットできる競馬はパリミチュエル方式ではありません。
toto・WINNER(約45%)
totoやWINNERはブックメーカー同様にスポーツの試合結果を予想してお金を賭けることが可能ですが、その還元率は約45%と非常に低く設定されています。つまり、ユーザーのベット額に対して払い戻される割合がとても少ないと言えます。
これらのギャンブルは「スポーツ振興の財源を確保する」ために行われており、損失を出すことが許されていません。そのため、還元率を下げ、必ず運営に利益が出るように調整されているということです。
実際にブックメーカーのオッズとWINNERのオッズを比較してみるとどれほどの差があるのかが一目瞭然となります。上がブックメーカー(ウィリアムヒル)のオッズ、下がWINNERのオッズです。


パチンコ・パチスロ(80%~85%)
パチンコやパチスロも日本で人気のギャンブルです。還元率は高めに設定されており、設定や釘に左右される部分はありますがおおむね80%を超えています。
最も高い設定である6の台であれば還元率は100%を優に超えることがあります。パチスロで生計を立てているような人がいるのもこの高い還元率のおかげかもしれません。
なぜブックメーカーの還元率は高いのか
ブックメーカーは還元率が他のギャンブルに比べて非常に高く設定されています。ブックメーカーがこの高い還元率を実現できている理由は大きく以下の2つが挙げられます。
世界中にユーザーを抱えている
多くのブックメーカーはグローバルにサービスを展開しており、世界中誰でもどこからでも簡単にベットすることができます。そのため、還元率を高く設定しても大きな利益を上げることができるビジネスモデルとなっています。
ブックメーカー業界の競争も年々激しさを増しており、還元率が低いブックメーカーはそもそも利用されることがなくなっています。業界内の競争率の激しさが高い還元率という形で反映されています。
運営コストの低さ
現代のブックメーカーはオンラインで運営されています。競馬や競艇、パチンコと違って実際の施設や店舗を必要としていない点が大きなメリットです。人件費や店舗の管理維持費がそれほどかからないため、高い還元率を実現できます。
還元率 | まとめ
ここまでブックメーカーの還元率についてお話してきましたが、ブックメーカーの還元率が他のギャンブルよりいかに優れているのかという点がご理解いただけたかと思います。
しかし、ブックメーカーの還元率が高いからといって、何も考えずにベットをするだけでは利益を上げ続けることは困難です。年間を通してプラス収支を達成するのはとても険しい道です。では、どうすればよいのか?ここで重要なのがユーザー自身の能力です。ブックメーカーで勝つためには努力や知識は欠かせません。
ブックメーカーのオッズはコンパイラーと呼ばれるブックメーカーの専門家チームによって設定されています。人間が設定しているため、オッズは常に完璧なものとは限りません。過去の成績や順位表が考慮されているに過ぎず、選手の離脱やコンディションの不調などの最新情報がオッズに反映されていない場合も少なくないのです。
そして、チームを分析する材料を持っているのはコンパイラーだけではありません。現代のネット社会では誰でも簡単に情報を収集することができます。適切なタイミングで情報を活用してベットを行い、さらにオッズを比較して最も有利なブックメーカーを選ぶことができれば、プラス収支を叩き出すことも不可能ではない時代です。
こうしてブックメーカーの還元率について理解を深めると、「ブックメーカーで利益を上げたい」「ブックメーカーを投資の手段として活用したい」という視点に偏ってしまいがちです。しかし、ブックメーカーはもっと気軽に楽しむべきものです。
「応援しているチームにベットをする」「スポーツ観戦をより楽しむためのベットをする」といった楽しみ方こそが、ブックメーカーを正しく楽しむ方法だと言えるでしょう。還元率という言葉に囚われて楽しめなくなってしまっては本末転倒です。ブックメーカーはあくまでも一つのエンターテイメントであることを忘れないようにしましょう。